タイトル

 

前へ 一覧に戻る 次へ

 

2012.11.19
29.ちょっと山へ(山梨県・大菩薩嶺)

時期的にもう少し早く行ったほうが美しい紅葉を楽しめるんだけど、天候と雑用でなかなか山にいけなかった。
紅葉が終わると冬山になるので、軟弱登山愛好家の私はなるべく安全で簡単で展望のいいところを探す。


今回の山は大菩薩嶺(だいぼさつれい)。標高2057m。山梨県甲州市塩山に位置し、東京から見れば奥多摩のさらに奥と言うとわかるだろう。
なだらかな地形による登りやすさや、稜線から見える展望もよいので人気が高い。夏には多くの草花が花を咲かせる。
ま、今の時期は花なんて咲いちゃいませんが。


大菩薩嶺という名前の山ではあるが、登山ルート上の「大菩薩峠」の方が同名の小説もあり、よく知られている。
ちなみに長編時代小説の「大菩薩峠」の作者は中里介山。41巻にもなる大作でしかも未完である。それだけで読む気が失せるが、不朽の名作らしいので興味のある人は呼んでください。 ウィキペディアで調べてみたら登場人物が40人以上いた・・・。でも、不朽の名作だそうなので。


今回のルート。全体で4時間ぐらい。 ロッジ長兵衛から出発し、唐松尾根側から雷岩を通って大菩薩嶺へ。そこから大菩薩峠へ下りていくお手軽コース。
唐松尾根は登りが徐々にきつくなるが、短時間で雷岩までいけるのでこのコースにした。
photo





新座市の自宅からを朝5時過ぎに車で出たが、すこしモタモタして8時過ぎに登山口のロッジ長兵衛に着く。
数日前まで道路の路面凍結を心配していたが、ここのオーナーがツイッターで付近の状況を日々発信してくれているのを知り、凍結の心配もなく無事到着。
オーナーありがとうございます。


ロッジの駐車場の気温、4度。うーんさすがに寒い。4人組の中年登山者が準備しているだけで、他の登山者はいない。
photo


天気予報では晴れだったので登ってるうちに晴れるだろう。


身支度を整えてゆっくり登り始める。空気は冷たいが10分も登ると暑くなってくる。重ね着を減らして温度調節しながら登っていく。

20分で福ちゃん荘を通過。
photo


唐松尾根に入り、熊笹の生い茂る針葉樹林の中を登っていく。

なかなか晴れてこないなあ。
photo


霜柱
photo


徐々に高度を上げ、登りが少しきつくなってきた。
木々が少なくなってきて、風が直に当たるようになってきたので防風のジャケットと防風の手袋をつける。


ススキや樹木に霧氷がついてる。風がビュービュー下から吹いてくる。
鼻水が出てくる。
photo


福ちゃん荘から小1時間で雷岩に。うーん、ガスって真っ白・・・。
耳が冷たくて痛いのでニットの帽子をかぶり耳を覆う。
photo


雷岩の左側の少し広いところ。木々が霧氷で白い木に。
photo


この雷岩からの展望がすばらしいのでここで昼食をとる人が多い。だが、今回はただただ寒いだけなので誰もランチなんて取ってない。
少し水を飲んで(キンキンに冷えてる)数枚の写真を撮ってから、そそくさと頂上の大菩薩嶺に行く。再び針葉樹林帯を歩くと10分もしないうちに大菩薩嶺に着く。
photo


気温0度。
photo


頂上は木々に囲まれているので展望はない。そのおかげで風も殆どない。若い男女がランチを取るのかガスバーナーでお湯を沸かしてた。
会釈をしようかと思ったが二人の世界に入っていて、いいやと思いすぐに再び雷岩に戻る。

雷岩を越え、ここからは緩やかな下りに入っていく。ここからのなだらかな稜線のラインが美しいんだけど・・・。
時折、ガスが切れて遠くまで見えることがあるがすぐにガスが辺りを覆おう。
photo


反対ルートから登ってきた若い兄さんが「スパッツ忘れたんですよー」と泥だらけの靴とズボンを見せる。
霜で地面が凍って、それが日中に解けるので土の部分は泥道になる。
大昔に買って一度も使ったことのないスパッツを初めて装着。
photo


お、ガスが切れた。
photo


徐々に高度を下げてくるとガスも少なくなってきた。
時折すれ違う人にスパッツつけたほうが良いですよと、おせっかいをかけながら下っていく。

稜線の鞍部に「賽の河原」がありケルンが積んである。鞍部はかなり強風が吹くのだろう、避難小屋もある。
photo


賽の河原を過ぎるとすぐに介山荘が見えてくる。
このあたりはもうガスはないが振り返るとまだまだガスってる。

介山荘に着く。殆どの人がここから写真をとる。カメラを操作するので右手袋だけはずして。
photo


介山荘の裏を回るようにして道が続き、整備された登山道を下っていく。
もう殆ど落葉した木々の間から時折、日が差し込んでくる。


再び福ちゃん荘を通過するとまもなく登山口のロッジに戻る。

12時30分下山。約4時間。気づいたら昼飯食べてないや。


帰りは近くの「大菩薩の湯」で汗を流す。浸かってると肌がぬるぬるする。気持ちがよい。


ほぼガスってたけど、時折ガスがきれたときに見える風景もそれはそれで美しく感じる。寒かったけど楽しかった。



 

前へ 一覧に戻る 次へ