タイトル

 

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1.ぺるとの由来


サラリーマンだった頃、仕事帰りに立ち寄った池袋のレコード屋で買ったCD。気になっていたミュージシャンのCDがECMというレコードレーベルから出ていたので、他にないかと探していたときに見つけたのがこれだった。現代音楽のジャンルに入っていてオムニバス版。現代音楽って何だろか?とワクワクしながら買ったのを覚えている。
この中でとても感銘を受けたのが「ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌」と「フラトレス」。「ベンジャミン〜」は静かな鐘の音から始まって繰り返しのフレーズが幾層にも重なっていく幻想的な曲。終始鐘の音が鳴っていて、東欧の寒い曇った街を俯瞰で見ている、そんなイメージが僕には沸いてくる。「フラトレス」はバイオリンとピアノのデュオ。演奏者二人の間に息詰まるほどの緊張感が感じられ、聴いているこっちまで手に汗を握ってしまう。でも曲全体からはやさしさが満ち満ちているように感じ、心地よい。
こんなすばらしい曲を書いたのは誰だと見たら「アルヴォ・ペルト」だった。店の名前「ぺると」はこの偉大な作曲家から勝手に頂戴した。珈琲とは全く関係ない。
何人かにこの曲を聞いてもらったけど、気に入ったと言う人とは結構気が合う。深いところで共通の感覚を持っている、そんなことを気づかせてくれる曲でもあった。

 

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